沖縄の文化と歴史を肌で感じられる世界遺産に登録されている沖縄屈指の観光名所
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駐車場あり
玉陵には世界文化遺産に登録された第二尚氏の歴代国王らの墓があり、琉球王国の歴史を間近で感じることができます。那覇市から近く、駐車場も豊富にあります。
那覇市首里金城町にある玉陵(たまうどぅん)は首里城公園内「守礼門」から歩いても3分ほどの場所にあり、首里城とともに足を運ぶ価値のあるおすすめスポットです。1501年に尚真王が父である尚円王を葬るために建てられた玉陵は、琉球王国の第二尚氏の歴代国王と限られたその家族が葬られています。第二次世界大戦の沖縄戦で玉陵も甚大な被害を受けましたが、最後の国王尚泰王のひ孫にあたる尚裕氏が私財を投じ、戦後1974年から3年以上の修復工事によりほぼ当時の姿を見ることができます。沖縄で最古かつ最大級の破風墓、壮大な陵墓の雰囲気とともに琉球王国の歴史を知るきっかけにもなります。
見どころ
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玉陵奉円館内の資料展示室
まず入口にある奉円館地下の資料展示館で玉陵の歴史的背景や建築物としての知識を得て、そこから実際に墓室へ向かうことをおすすめします。ここでは琉球王国の歴史資料パネル・墓内部がわかりやすい模型・骨壷である厨子甕・そして第二尚氏最後の国王尚泰の長男尚典の葬儀の様子(1920年)が見れます。ちなみに奉円館受付で「ボランティアガイド待機中」の札が出ていたら、無料で時間に合わせて玉陵の案内をしていただけます。
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玉陵碑
一つ目の門をくぐると、広い外庭にポツンと墓石のようなものがあります。固い輝緑石で作られ戦災を免れた貴重なこの碑、沖縄で現存する二番目に古い石碑の玉陵碑です。鳳凰や唐草模様で文字が囲まれており王家の空気を感じます。碑には玉陵に葬られるべき9人の名前とともに、「この書付に背くなら、天に仰ぎ地に伏して祟るべし」と書かれています。実はここから王家の権力争いなど王室内の激しい対立を垣間見ることができます。
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玉陵
二つ目の門をくぐると、壮大な陵墓である玉陵が広がります。全体は45m×55mと首里城正殿前の御庭が入る広さです。敷き詰められているのは神の島久高島からの珊瑚砂で邪気を取り払う意味があります。当時の板葺き屋根の宮殿を表し、琉球石灰岩でできた家屋のような造りの破風墓がこの玉陵。墓室は3つに分かれています。まず中央の中室。当時の遺骸処理の慣習だった洗骨場所で、骨になるまで遺体をここで安置しました。その遺骨を厨子甕に納められ、向かって左の東室に国王やその妃、右の西室にその家族を葬ったのです。
玉陵の豆知識
この玉陵を語る上で大事なのが琉球王国の歴史です。北山・中山・南山の三山時代から中山王の尚巴志によって1429年に琉球王国が統一されました。その後、1470年に金丸がクーデターを起こして尚円と名乗り、尚巴志の王統を第一尚氏、尚円以降の王統を第二尚氏と呼んでいます。尚円が亡くなった後に継いだのが2代国王である実弟の尚宣威。しかし半年で失脚し、その後は尚円とオギヤカの間に生まれた息子の尚真がわずか12才で即位します。この背景にオギヤカの力が働いたと言われています。
実は、玉陵碑にある9人の名前の中に失脚させられた尚宣威の名前がありません。また、尚真の長男や次男の名前もありません。尚真は尚宣威の娘である居仁を正室に迎えていますが、居仁との子がこの二人なのです。9人の名前は全てオギヤカの血を引く人たち、第二尚氏の愛憎劇がこの碑から伝わってきます。さらにミステリーが一つ。そのオギヤカの厨子甕が実はこの玉陵では発見されていません。息子尚真との親子の複雑な関係も何となく感じることができます。
奉円館からしばらく歩くと遥拝所があり、昔はここから先へは一般の人たちは入れずここで手を合わせていました。ここから最初の門を見ると、正面は石垣で突き当たりです。そこから少し右にずれて見てみると奥の門の入口が見えます。2つの門の入口が真っ直ぐになっていない理由は魔物は直進するという沖縄古来の考え方からです。沖縄のいたるところに石敢當が見られますが、魔物が直進してくるために魔除けとして突き当たり部分に置かれているのです。
二つ目の門の高さは約155cm、この高さは歴代の国王の平均身長と言われています。そこをくぐって見える東室と西室の白くなっているところは戦災で崩壊し琉球石灰岩で作り直された部分で、中室は砲弾によって穴があきその部分を漆喰で埋めているそうです。外郭の石垣も修復した部分と元々あった部分が色でわかります。
玉陵の各墓室の上には3匹の獅子がいます。沖縄ではあまり見られない立ち獅子です。3匹とも入口門を見ており守り神の役割を果たしています。玉陵のパンフレット表紙の獅子は向かって右側です。欄干の柱にもシーサーがいて、国王が眠る東室のシーサーだけまっすぐではなく入口寄りに向かっています。国王をしっかり守ろうという表れのようです。欄干羽目部分には獅子・龍・蓮・鳳凰・蝙蝠などの浮き彫りが施されており、計33枚ある中戦災で残ったものは14枚だそうです。
ちなみに、玉陵最後の埋葬は1931年の尚典の妃です。現在子孫の方は東京在住とのことで、年に数回手を合わせに来ているとのこと。すでにこれは個人のものではなく無償で那覇市に寄贈されています。墓室では説明のアナウンスが繰り返し流れているので、それを聞きながら沖縄文化、吸い込まれそうな荘厳な雰囲気、そして琉球の歴史にぜひ実際に触れて手を合わせてみてください。
玉陵の所要時間
玉陵の所要時間の目安は40分程です。
玉陵は世界遺産ではありますが、あくまでもお墓なので見学できる部分が限られており、早ければ30分程で全てを見学できます。
また、玉陵には資料展示室があるのですが、破風墓を見る前に展示資料館に行くことで、より玉陵が楽しくなるでしょう。
資料展示室には琉球王国の歴史パネルや葬儀の様子などの写真が展示されており、破風墓の内部が分かる模型などもあってじっくり見学してると資料展示室だけで30分経っていることも。
琉球王家の破風墓を見る前に当時の様子などを知っておくことで、見た目だけではなく歴史や背景なども楽しむことができます。
玉陵のアクセス
玉陵の周辺はパーキングも豊富にあり、ゆいレール・バス以外にも車でのアクセスも便利になっています。
しかし、人気観光スポットの周辺なので混み合ってしまいパーキングになかなか駐車できないことがあるので注意が必要です。
車でなくても良い場合はゆいレール・バスの利用をオススメします。
駅やバス停も近く、駐車場も必要ないので気軽で便利です。
《ゆいレール》
①最寄り駅から首里駅で下車。(県庁前駅から首里駅まで約15分、料金:300円)
②首里城方面に徒歩約15分。
料金:300円
所要時間:30分
《バス》
①那覇バスターミナルから首里城公園入口で下車。徒歩約5分。
(所要時間:25~35分、料金:230円)
路線:那覇バス[346]・沖縄バス[7]
※那覇バス[346]が移動時間が短いです。首里城公園入口まで約15~20分。
《車》
那覇空港:30~40分
国際通り周辺:15~25分
施設名:玉陵
住所:〒903-0815 沖縄県那覇市首里金城町1丁目3
マップコード:33 160 659*18
玉陵の駐車場
玉陵には専用の駐車場はないので、首里城や玉陵周辺のパーキングを利用してください。
最寄りの駐車場は首里城公園駐車場で、150分500円となっています。
首里城周辺にはたくさんのパーキングがあるので、最寄りのパーキングが満車になっていても、周辺を探してみてください。
駐車料金は各駐車場で異なりますが、首里城から少し離れるだけで1時間100円のパーキングもあったりします。
写真一覧
玉陵の基本情報
名称 | 玉陵 |
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電話番号・FAX |
TEL:0988-85-2861 |
住所 |
〒903-0815 沖縄県那覇市首里金城町1丁目3 |
アクセス |
車:那覇空港から車で30~40分 ゆいレール:首里駅から徒歩15分 バス:首里城前バス停から徒歩2分 |
営業時間 |
9:00~18:00 |
定休日 |
年中無休 |
料金・メニュー
料金・メニュー |
一般(20名未満) 団体(20名以上) ※モノレール1日or2日乗車券持参で2割引 |
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お支払い情報
平均予算 |
0~500円 |
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その他料金 |
なし |
クレジットカード |
不可 |
通貨 |
日本円のみ |
予約 |
予約不可 |
店内設備
駐車場 |
県営駐車場約120台 運転者もしくは同乗者で身障者手帳持参の車は無料 |
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詳細情報
所要時間 |
30~60分 |
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禁煙・喫煙 |
完全禁煙 |
その他 |
売店なし、日よけ場所がないので、夏場は日焼け止め・日傘・タオル・飲み物は持参で(資料展示室はエアコン稼働) |
美ら島トラベルからのアドバイス
行ってみた感想 |
首里城公園の近くにあり、アクセスもしやすい所です。沖縄で最大級を誇る破風墓は圧巻です。 |
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注意事項 |
夏場は直射日光対策で日傘や帽子があると良いです。 |
便利な「持ち物」 |
日傘 帽子 |